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激安をうたう住宅用太陽光発電急いではいけないもう一つの理由

大手家電量販店などが激安を謳って住宅用太陽光発電を販売しているが、ここでちょっと立ち止まって頂きたい。
私は太陽光発電をどんな形でも早く普及させようとは考えている。
しかしそれは社会をより豊にする為で、何が何でも量が増えればいいとは考えていない。

結論から言うと、大手家電量販店などが激安を謳って住宅用太陽光発電はその安さの裏側が問題なのだ。
太陽光発電設備を設置する場合、おおざっぱには
1 太陽電池をはじめとする太陽光発電関連機器
2 発電機の設置工事
の両方が必要になる。
その2に相当無理があり、素人同然の業者に工事をさせる例が相次いでいるようだ。
その結果、ここ「数年で屋根の雨漏れの問題が大量に出てくる」だろうと私は考える。

家電メーカーは何もボランティアで太陽光発電を販売しているわけではない。
太陽電池なども大量仕入れをすれば多少安くなるだろうが、それだけで家電量販店が「半値になると言うようなイメージを持たせるまでの価格」に引き下げるのは難しい。
工事はある意味オーダーメイドだ。
今までは専門業者やっていたので、ある程度のノウハウや品質を保ってきた設置工事だが、家電量販店などの参入で業界は一変した。

大会社が下請けには注するやり方はどこでもソウ変わらない。
今まで1キロワット当たり10万円以上していた工事費を半値ぐらいで発注する。

工事業者が足りないから、猫の手も借りたい状態だし、既存の業者はそんな赤字見え見えの値段でやりたくない。
そこで活躍しているのが、今までエアコン、冷蔵庫などを設置していた業者だ。
と言うか彼らも儲けにならないからいやなのだが、断るとエアコンなどの発注も来なくなる。
泣く泣くやるしかない。
すると人件費を落とすために素人のアルバイトを雇う。彼らは屋根に上がった事もない。
エアコン業者が工事するのは住宅の壁である。工事にしても脚立やはしごが有れば工事は済む。
経費を落とすため本業の業者なら屋根の工事は足場を組んでやるのを、はしごで上がって安全措置も講じずにやるから転落事故が起こる。中には死亡事故もあるようだが、発注した家主は気持ち悪くて住みたくなくなっても、引っ越しもできない。

エアコン業者が工事するのは住宅の壁である。壁はたまに横風がある時の水分を防げばよい。

しかし、屋根はそうはいかない。
常時雨にサラされる。ほんのちょっとした穴やひび割れは最近多い地震も相まって、徐々に広がりそこから進入した水分は家の構造物を錆びさせたり家の強度に決定的な障害を与える可能性を孕んでいる。

今多くの業者が行っているのが屋根の設置器具をビスで留める方法だ。
ビス留めは直接ノジ板に止める方法が安上がりだ。
専門業者は禁止している場合もある「ノジ板への直留め」だが、コストも落とさなければならないし、屋根の構造にも詳しくない業者はそんな事はお構いなしだ。
屋根に穴を開け小さいビスで力が一点に集中しているところに地震が来ると、その穴は徐々にゆるむ。あるいは亀裂が走る。

では消費者はどうすればいいか。
別の稿で書いたが、できれば業務用で設置する方が有利だ。
太陽電池はまだまだ値段が下がる。
そこで
1 独立型(蓄電池込み)でベランダなどで太陽電池パネル2-3枚程度の小規模で始めて様子を見る。
  補助金仕様だからパネル等が高いというのがある。
  その間に業務用で買電する方法をご近所を巻き込んで検討する。
  パネル等機器は個別の製品を安く買い、信頼できる工事業者に発注する。
2 屋根に穴を開けない工法を採用する。

私の試算でも今補助金無しで3㌔㍗100万円未満で設置可能だ。

いずれにしても、100万円単位の決して安い買い物ではないし、増してやせっかくのマイホームの資産価値を大きく棄損する可能性を孕んでいる。家の修繕は100万円では済まない場合が出てくる。

大手家電が悪いとはいわないが、上記のことがあることは頭の片隅に置いておいた方が良いのではないだろうか?

http://sola-do.com/
SOLA 自然エネルギー拡大共働会議
代表 小田々豊
2012/06/03
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